November/'06

’06/11月

2006年11月19日

今週は浜松国際コンクールの1次予選を見に行ってきた。
これは、友人に頼まれたピティナの浜コンを聴く会の座談会に出席する為でもあった。
東京を早朝の8:00の新幹線で熟睡しながら浜松に9:30に到着した。
10:00の開演に何とか間に合った。
その日は予選3日目、会場に行くと、そうそうたる超有名な先生方が、そこかしこにいらっしゃるではないか?ちと緊張である。
1次予選は、バッハ平均律とクラシック期の作品と自由曲。
我々がレッスンで普段使っている曲が演奏される上に、世界のレベルが間近に聴けるので、とても嬉しいし、勉強になる。
お昼をはさんで、2:00まで約8名の演奏を聴いて、帰らねばならないのが残念でならなかった。
様々な演奏を聴け、楽しく席を立ちたくなかったからだ。
興味深かったのは、バッハの解釈である。
これ程深遠なバッハは無いと思えたのは、やはりロシア人のバッハであった。
ハーモニーの素晴らしさに酔って、精神的な高みを感じずにはいられなかった。
クラシックでは、モーツァルトのソナタやベートーベンのソナタで、まるでピティナE級F級ランクの演奏も少なくないから、日本のレベルの高さは、世界のレベルに容易に達しているのが分かる。
ところが、自由曲の幅の広さ、層の暑さ、ダイナミックさ、自由奔放さとなるととても叶わない。
日本人の所謂、ガリ勉タイプのピアノでは、到底追い付かないレベルだし、大きく引き離されているのを感じる。
魅せるといった言葉が妥当だろう。"音楽ってこんなもんだね"みたいにピアノの上を縦横無尽に踊る様に指が動く。
圧倒する演奏スタイルに脱帽である。
日本の音楽界の方向性は、決して悪くは無いと思えたが、応用編となるとまだまだという感じである。
この違いは一体何だろう?音楽のリズム感、躍動感騎馬民族と農耕民族の違いだろうか?
バッハの深遠さは宗教のちがいだろうか?
赤ちゃんが1歳になる前に外国に行くと、巻き舌で発音するのに違和感を覚えないそうだが、その辺なのだろうか?
フレーズ感の大きさ、ハーモニーの深さ、リズム感には努力しても叶わない何かを感じた。
しかし一方で、日本人がある程度のレベルに十分に達しているのだという事を感じたから、日本人も捨てたものでは無いので.....。
1次予選を聴け、刺激を受けたので、是非2次3次を聴いてみたいと思った。
浜コンに平行して、うちの教室も秋のコンクールが目白押しだった。
毎コン、クラコン、教育連盟、ショパコンと秋の陣が続いている。
その間、夢コンのテープ審査用のテープを作ったり、大忙しである。
秋のコンクールの悩みは、夏のコンクールが終わった直後、"次も頑張る"と元気良く申し込んだものの、9月は学園祭、体育祭だ、部活の発表会だ、はたまた修学旅行があり、同陸上大会の練習に駆り出され、子供は大忙しで、お疲れである。
こっちはピアノを教えるのが仕事だから、夏の疲れも取れ、元気というのに子供達は夏休みの方がずっと集中力があるわけで、ひたすら時間が無意味に流れ、最後の1週間のラストスパートに突っ込んでいくというパターンがほとんどである。
いわゆる、危機感を持たずにその日を迎えてしまうのだ!!
結果は火を見るより明らかなのだが、中にはラストスパートを上手くかけ、勝ち抜く子もいるから、人生は平等なのか?不平等なのか?複雑な気分である。
無い時間をやりくりして、ピアノに割いて頑張った子に、どう声を掛け、慰め、励まそうか?思案に暮れる。
結局はいつも同じ事だが、結果ではなくプロセスなのだ。
如何にその曲に深く向き合い、考え、勉強したか。これに尽きると思う。
そんな事を生徒の親に話していたら、その晩"のだめカンタービレ"でシュトレーゼマンが本番を前に上手く弾けるか?緊張している千秋に同じ様な事を言っていたので感動してしまった。
「千秋くん。当然です。あなたは、あなたの好きな様に弾くのです。大切な事は、あなたがこの曲と今までどう真剣に向き合ったか?という事です。」
そうなのだ、勉強とはそういうことなのだとつくづく思う。
たった数十小節のやさしい曲ほど難しい事は無い。
形がシンプルで、音の多くない曲は、左右のバランスを取りながら、表現を嫌味無く、美しく、弾く事を考えてしまったら、一音一音硬くなってしまう。
どう最初に自分が感じて、弾きたかったのかさえ分からなくなってしまう。
悩んで、悩んでやっと仕上げて、自分のものにして演奏したのに、所詮それ程、評価されないのが、この世界である。
大切な事は、この曲とどれだけ真剣に向き合ったかという事なのだ
人生しかりだ。人間は100%死ぬ。誰でも死ぬ。
大切な事は、どれだけ長く生きたか?なのではなく、どう生きたか?だと思う。無駄な事は1つも無いのだ。ひたすら、前に進むだけなのだ。
1つの事に真剣に向き合う事。それはピアノだけで無く、全てに共通していると思う。
何事も中途半端で無く、とことんやるという事だ。
努力をせず、投げ出したり、諦めたりする事は言語道断である。
勝つ事を目標にする事は、そのプロセスを更に充実させる為の手段だという事、自分を高める為の手段だということを分かって望まない限り、結果に振り回され、プロセスの意味を失うことになると思う。
特に明確な答えの無い音楽の世界では、その辺をしっかり理解していないと大変危険だと思う。
シュトレーゼンの言葉がよみがえる。
「さあ、楽しい音楽の時間です。」
コンクールで自己鍛錬をし、本物を目指しながらも、究極的には人間として強く、そして、音楽を愛する子供達を育てたいと思う。
日本の浜松に集った世界の若者達も、自分の可愛い小さい生徒達も同じなのである。
2次予選に残るのは、どれだけの人数だろう!と思うと、浜コンも過酷な、国際的なサバイバルゲームの様な気さえする。


2006年11月11日

今週は、私にとっては比較的穏やかな日常といってよいのだろうが、しかし、こうして書きしてみると色々あったのだが、私にとってはごくごく普通の毎日である。
忙しく毎日を過ごしていると、平凡な日常がこよなくいとおしく感じる。
秋の夜長に東京で、一緒にシェアしている姪っ子の雑誌(アンアン)をパラパラ目めくっていたら、顔筋マッサージとやらが載っていた。
そういえば、最近ダイエットに成功したせいか、顔のたるみが気になりだしていた。
早速インターネットで調べたサーモリフトクリームとやらを購入し、せっせととその本を見ながら、顔筋マッサージをしてみたりしている。
こんなものは気の持ちよう、気のせいだろうが、「継続は力なり」ピアノならさしずめ「ハノンだ!」と思いつつ、せっせとマッサージしている。いつかピンと張るかも。
ついでに、パラパラめくって「あなたの恋愛指数は?」とか。しっかり読んで、気付いたら計算している自分がいるではないか?
ふと我に返り、「あんたはいったい、いくつだよ??」と思い返す。
本体は、加齢なる変身を遂げているのに、気分は姪っ子と一緒で、姪っ子の持ち物や、香水がチラチラ気になり、時折「どーれ?」と姪っ子の居ない隙に、香水を拝借してみたりする。
これは、冷蔵庫の私の健康黒酢を飲まれた腹いせの復讐である。
そして月曜9時は、テレビの前にデーンと陣取り、「のだめカンタービレ」を笑いながら見る。
ナンセンス、ドタバタ、しかし千秋の真面目さ音楽を愛する若者達の情熱、友情がテーマの底にあって大好きである。
この間は、原宿の「のだめカフェ」に行ってみたくて、「一緒にいきましょうよ」という父兄を裏切り、一人で原宿に行く。
がしかし、私の方向音痴は、地図と一緒に自分も回ったりしないと分からないランクだから、青山をぐるぐる回り、たどり着いたと思ったらタイムオーバー
のだめちゃんが、たらこまであと数cmというところで、おにぎりを落とした、あれである。
店の前まで来て、「ブー!」「レッスンのお時間が参りました!」すごすご、また地下鉄でわが家にUターン。
頭が悪いと時間は、無駄である。地図を見ても分からないから、重症のバカだ。
このカフェ、千秋の作ったメニューや、のだめちゃんの黒シチューとか出てくるし、のだめの部屋もあるし、コンサートもある。真面目?なレストランで、結構落ち着いたシックな大人のムードのレストランである。
クラシックファンが対象か?テレビが評判になる前に行って、うちの生徒達に自慢したいのである。
こんなのんきな毎日を過ごしていたのだが、郵便受けに10月初旬に受けた人間ドックの結果が来ていた。
お陰さまで、大きな事は、何とかすり抜けていたものの、目が悪い持病の腎臓が悪いしい。心臓も要観察。それに貧血眼科内科婦人科は要受診だった。何と7項目もあるではないか?
やっぱり叩けば、こんなに埃が出ちゃった。
心臓が悪いなんて?回りには心臓に毛が生えているんじゃないとか?貧血だなんてこんなに血の気が多いのに?買い物しすぎで、金欠の間違いじゃないの?とか言われている。
誰も私の症状に同情はしてくれない。
夫でさえ、「良かったね、いっぱい見つかって。僕より多く見つかってすごいね。さすが有名クリニックだ。」と羨ましげでさえある
ああ〜、これから毎週、再検査の受診に動かねばならない。
しかし、健康でなければ、夢も追えないし、何も出来ないから仕方ない。
先日、東京で音大受験生が、新しく私のところに見て欲しいとやってきた。
私とあまり年の変わらない先生が、クモ膜下出血で突然死されたそうなのだ。
聞けば、レッスンは深夜11時まで、それから夕飯を作って、その後自分の練習を2時から3時までして、朝は早くからお弁当作りで起きていたそうだ………。睡眠時間3〜4時間
まさに過労死である。レッスンが深夜で、夕飯が12時は私と変わらないので、ドキッとしたが、それからが違う。自分練習と早起き。はっきり言って、私は怠け者である。
夜は、のんびり、寝るまでインターネットをしたり、テレビを見たり、おふろにのんびりつかって、顔筋マッサージ、体操したりして、朝は9時過ぎまで寝ているからである。
時には、のだめカフェを探し、にひたすら歩いているではないか?(呑気なもんである。)
その音高生には、「前の先生のような真面目なレッスンは期待出来ないが、それで宜しければ、お受けしますが」と注釈を付けさせて頂いた。
怠け者ではあるが、やるべき事はちゃんとやらねばならない!勉強も然りである。
来週は、浜松国際コンクールにも覗きに行かねば………。
遊びのアンテナもたくさん立てながら、1日1日を大切に生きるよう頑張らないと。
あっという間に、今年もあと2ヶ月足らずではないか??
そうそう、成功したダイエットメニューを知りたいという方の為に、国立大学病院のメニューを載せます。リンク先は、こちら。
やってみたい方は、ぜひトライして下さい。2kgは確実。しかし意志が要りますぞー!!





戻る
戻る


My Profile   Photo Album   Essey   Link トップへ