| 金沢は生まれて初めての土地である。 かの有名な兼六園、必見と言われる21世紀美術館、そして北陸の新鮮な海の幸、温泉、やら期待して友人から情報集め密かに楽しみにしていたのだった。 が、しかし台風が去ったもののダイヤは混乱、在来線は遅れ、乗るはずの新幹線に一本遅れ、しかも米原から乗ったしらさぎが30分遅れ、遅お昼を金沢で頂くはずが、すっかり夕方になっていた。 しかも予約した有名寿司店が定休日、ならばと、第2候補まで電話しまくったが、予約でいっぱいと断られた。 がっかりしつつも、金沢の回転寿司、侮るなかれ!と友人から聞いていたので、駅前の回転寿司に飛び込む! ウ〜ン違ったあ!しかし此処でのんびりしてはいられない。タクシーに乗り、加賀百万石の祈願所、妙立寺を目指す。 此処は人呼んで、忍者寺!徳川幕府の魔の手が及んだ時の為、様々なしかけがある要塞?隠れ家としての機能を兼ね備えた寺である。 隠し部屋とか仕掛けとか、大好きなので最後の拝観グループに紛れ混んだはよかったのだが、まずは本堂に座らされ、寺の由来を有り難く聞いていたら、何やら手首の水晶がぴりぴり痛い。 気のせいと思うのだが、それにしても微電流を感じ、何だろうと足を見てびっくり、愛用していたパンツの内股20cmほど見事裂けているではないか? このパンツ!UNIQLO製で愛用してほとんど毎日の様に履きつづけ、最後はアメリカにまで連れていき、家族にもまた白パン?と言われていた代物だった。 この時、私の金沢見物は終わったと思った! それから、誰にも助けを求めても無駄!20人ほどの集団のびりにつき、バックで後ろと前を押さえ、心中は半ベソで忍者寺をあたかも九のイチが如くついて歩き、解散後は運よく待たせてあったタクシーへ一目散に。 タクシーの運ちゃんに、「すみません、恥ずかしながらパンツが破れちゃいました、観光を止めてホテルに戻ってください!」と言うと、「そりゃあ大変だ!」と同情してくれた。 私が友達から頼まれた、川村の甘納豆も俵屋の飴も買えないと歎くと、運ちゃん、「俺が行って買ってきてやるよ!」と言ってくれ、「兼六園、なんて言ったって、ただの庭だよ!21世紀美術館、大したことないよ!」「タクシーで金沢をぐるっと回ってやるよ、何なら途中でパンツ買いな!」とまでご親切に。 しかし、もう6時なのに今更パンツ買って動こうにも時間はない。しかし食い気だけは半端でない身!「おじさん!川村と俵屋だけは行って!」「あいよ!」てな具合に破れパンツのタクシー移動! 下りる時、「おじさん、絶対こっち見ないでよ!」と睨みつけ、不審者にな りながら甘納豆と飴だけを買い、夕暮れの金沢の町をタクシーの中から眺めホテルに戻った! 運が悪かったのは言うまでもないが、すんでのところで助けられ私の金沢ステップ前夜祭は終わった。 教訓はやはり仕事のついでに何かを楽しもう!などと甘かった! 休みはしっかり休まないと! しかし駅前の回転寿司は美味しかった!満足!!しかしこれでわかった!ダイエットだ! |
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