| 冬本番インフルエンザの季節だ。 今年は、体力も弱っているので予防接種をと思ったのに、次から次へと風邪をひき、とうとう時期を逃してしまった。 今さら接種しても、効き目は二週間後では、痛い思いしてもと思い、あと三月まで自衛防衛と決め込んだ。 しかし受験シーズン到来ではないか?21日は誕生日だったのに音高受験生と東京で合宿していた。 誕生日は、AI君の芸高受験の時もそうだったから、毎年ケーキとは縁が薄い(泣) しかし私の生徒の受験は、いつもドラマティックである。 まあその分有り難みも倍増だが、その最中はそれどころではない。今回はT音大附属高校の推薦入試だった〜。 推薦入試は、最初から考えてもいなかったし、情報は何も仕入れない脳天気だから、そんなシステムがあるのさえ知らずにいたら、知り合いの先生に勧められ、まあ落ちても一般入試があるわけだから、一足先に勉強の為に受けてみようと思ったわけなのだが〜。 二人で頑張っていれば、それなりに欲が出るのが常で、最後には、頑張るぞ〜なんて勢いにはなって、前々日から特訓合宿だったのだ。 試験は、22日の火曜朝イチである。20日は、夜リハーサル代わりのホール練習をして、閉店間際の焼肉屋で二人で旗揚げ祝い?でニンニク焼きやらタン塩をご機嫌で食べまくる〜。 なんだか全てうまくいく気分である。何でもそうだが寸前になったら、ジタバタせずポジティブが大事なのだ〜なんて呑気モードである。 その日は、早めに寝て翌日は二人で早速氷川神社に行く。 生徒がお賽銭忘れたというので、ポケットにあったキットカットを投げ入れた。 罰当りかと思いきや、気持ちだから喜んで下さるかも?と勝手に解釈する〜。 それから、レッスンでピアノが使えない午後からは、近くの練習室に通い、夜はまたホールで最終調整する〜。T音大附属高校ピアノ演奏科コースの推薦は、初めてなので、レベルも全く分からないから、知り合いの先生に様子を聞いていたのだが、返事が一向になかったのだが、そんな時やっとメールの返事が入る。 “推薦はかなり厳しいから、昨年は該当者無しなので、最高のコンディションならともかく?まあ多分無理だから、リハーサル代わりに今回は気楽にどうぞ〜”てな返事に絶句………。 「そそんなに厳しいんすかあ…」易しくはないと知ってはいたものの、そこまでとは?今さらそれを知っても知らなくてもどうしようもないわけだから、まあ駄目なら一般入試だし、と腹をくくる。〜が最後まで、取り敢えず諦めず頑張る事に?でも明日なんですけど……(汗) てなわけで、取り敢えず早朝六時に起きて練習し、最後の神頼みにチャリンコ参りに神社に行かせる…。 しかし、当のご本人昨日の元気は何処へやら〜、眠れなかったらしい。 その上朝から食欲もない。おまけに満員通勤バスに乗った途端「気持ち悪い〜」と言い出す。 えっ!?と耳を疑ったが、まさか子供じゃああるまいし、何か変?と言ってぶわーっと吐く事はないだろうとたかをくくって、「大丈夫だよ〜」なんて根拠なく励ます。 男の子より男らしいしっかりした子でも一応緊張で、胃に来たんだと思い、“しっかりしてみえても中学生だな。”なんてあまり深く考えず、まして、今回は推薦だし、途中でリタイア〜もありだと励まし渋滞のバスを降りて二人で歩き始めたのだが、「先生〜気持ち悪い〜」と植え込みで遂にゲボ〜(汗) 気を取り直し、しばらく歩いて、またゲボ〜(汗)(汗)そしてまたゲボ〜(汗)(汗)(汗)……。 その度に背中をさすりながら「大丈夫、大丈夫」、と根拠なく励ますも何が大丈夫なんだろ?と自問自答するが、それしか言葉が出て来ない(泣)…。 すると、ずっと封印してきた自分の中のある意識がよみがえる…。 昨年末、運をAI君で使い果たしたかも……?いやあ〜これだけ吐けばスッキリかも?と思い、受付をし練習室で30分ほど練習したが、集中力を使ってはいけないから、軽く流し弾きを薦めて、隣りで間違えても顔を引きつらせてハハハと笑顔で座ってるしかなかった。 保護者面接の為に、受付でお母さんに出会った時は、女神かと思った…。 聞けば、以前もコンクールに向かう地下鉄の中で、噴水ゲボした前科があるらしい。 人は見掛けによらぬ者だ…。生徒には悪いが、繊細さとは無縁だとレッスンで随分嫌味を言ってしまってたかもだ〜悪かった…。こんな時反省しても仕方ない。 校門で別れるつもりが、気付いたら保護者のカードをぶら下げて、ガイダンスに出席していた。 ガイダンス中でも、「すみません、気分悪いのでトイレ行かせてくださ〜い。」と思い切り挙手していた!「今から重要な説明しますから少しくらい我慢出来ませんか?」「無理で〜す。」バタバタ…てな具合にトイレにかけこむ。醜態なんてものじゃないし、ひんしゅく物だが仕方ない…周囲の白い目を気にしながらも、とにかく試験にたどり着けるのか〜(汗)(汗)(汗) しばらくして、保護者面談から戻って来たお母さんが、ボソッと呟く。 「先生なんで来ちゃったんですかね…」 面接の試験官に「どうして受けに来ましたかあ?推薦は滅多に合格者いませんから駄目でもがっかりせず、一般入試を頑張って下さいねー」とまだ弾いてもいないのに、慰められたそうで、ションボリしてる。 そうだったんだ…!そんなレベルだったんだ(泣)…そういえば知り合いの先生も言ってたではないか?最高のコンディションならもしかしたら?…と…(最低のコンディション)…??と言うテロップが頭の中を通過…。 やっぱり神社にキットカット投げた罰?それとも運の底切れか?最後に生徒と別れ、お母さんとションボリ肩を落とし、今にも雪が降りそうな空を仰ぎながら、ため息をつきトボトボと歩くも、優しい天然キャラのお母さんが、「先生、もうここまで頑張って下さって本望です。駄目で元もとですから、ありがとうございました」、と涙ぐましく御礼を言って下さる。 うんにゃ。まだ何か出来る事あるかもしれない。最後まで諦めてはいけな〜い。 見上げたら、大鳥神社参道だった、道行く人に場所を聞くと大学までが神社の参道になっていたのだ、見れば鬼子母神も、稲荷神社もあるではないか〜。最後は此所しかない〜。 二人で最後まで必死に祈るのだ〜と諦めモードのお母さんを引っ張り神社に駆け込む。 人事を尽くして天命を待つ。 やっとのことで、やるべき事は全てやり、スッキリして池袋を後にした。 一時間後、都内をぶらぶらしていたら生徒から、携帯電話がなった。 「最後まで気を失わず弾けたのか?」それだけだったのに、当の本人、「先生、なんだかミスなく、全部ちゃんと弾けました〜」と明るい声…。 嘘だ?ほんとに?バッハの平均律プレリュードとフーガ、ショパンのエチード難曲2曲、ドビュッシ―喜びの島、リストのリゴレットパラフレーズをミスなくあの最悪のコンディションで弾き切るなんて奇跡しかない。 神様だ〜!!翌日は東京は雪だった。 AI君の発表の日もたしか大雪だった。雪は、我々には幸先が良い…結果は、見事有り得ない奇跡の合格だった。 嬉しかったり、びっくりしたりで血圧上がりまくりだった。 実際あんな事が無ければ、よくも悪くも、もうすこし冷静に受け止められただろうが、ほんとにジエットコースターに乗った気分だった。 受験は、まだまだこれからだ。 巷の皆さんも、どうかどんな事があろうと、最後の最後まで諦めないことをお薦めする。 しかし、それにしても一緒に受かった仲間達の顔ぶれを見て、二度びっくり…! 全国レベルのカリスマのお嬢様方である。今度は別の心配がよぎるが、いちいち心配していたら身が持たない。 これからは、ご本人様に頑張って貰うしかない! そして、あれから一週間たったが、私の口の中は口内炎だらけである。 年末年始は風邪だらけ、一勝する度に身体がボロボロだから、さしずめ鶴の恩返しの毛の少なくなった鶴状態である。 綺麗な反物を織るのは、命がけである(泣) 写真は、誕生日に海外から届いた旦那さんからの花と大学生がくれた植木でーす。 |
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| お正月休みで見たテレビというか?楽しみにしていたのは、子供達と同様で「のだめパリ編」と「全日本学生音楽コンクール」のBS放送だった〜。 のだめパリ編は、昨年生徒のコンセルバトワ―ル受験でパリに二週間自炊して暮らした経験上、漫画とはいえ、身近に感じられて楽しみにしていたが、主婦だし、家族をさしおいて、テレビの前で2時間半集中出来ないので、DVDにして東京でゆっくり見たのだが、よく出来ていて面白かった〜。 相変わらずのドタバタだが、留学生の孤独や葛藤、音楽を目指す者のプライドやお宅傾向、天然ぶりが、裏付けにある上での漫画より漫画チックな楽しい展開が面白かった。 のだめが、何の為にパリに来たのか?と悩むシーンやコンセルバトワ―ルの教授が、挑戦的にピアノを弾くのだめに、「僕は、君の特技を見せてとは言ってないよ〜」と優しく諭す所など、なかなか漫画ながら真実をついているなあ〜と感心した。 さらに芸術家は、人の目に触れ、耳に触れ、また育っていくものである〜。 人前で演奏することが、勉強なんだと言わせる所もなかなか奥が深い…。 笑いながらどこかで納得、同感しながらも、パリに住む留学生は、あんな高級アパルトマンに住んではいないぞ…と、コンセルバトワ―ルの学生アパートを覗いてしまったから言えるのだが〜。 留学は、さらにあんなに愉快でもリッチでもない。 私の行ったアパートは、トイレにドアはなく、アコーデオンカーテンだし、シャワーのみで浴槽などない。 用を足す時は、誰かがピアノを弾いて、音姫様をしなくてはならなかった。そんなアパルトマンでさえ高額な家賃だ。 それにアナリーゼ出来なくて、のだめが途方に暮れていたが、コンセルバトワ―ルのソルフェ―ジュの試験は、本場フランスだけあってかなり難しいから、規定の点を取れないとピアノの試験まで受けられないし、初見視奏に至っては、ラベルか?スクリャビンか?と見まがう難曲で転調、ヘミオレ(変拍子)数知れず〜。 のだめが合格する為には、そんな難関をくぐり抜けてるわけだから、モーツァルトのソナタの初見が出来ないわけがないのだ。 漫画だから仕方ないが、パリのコンセルバトワ―ル留学が、そんな安易ではないということを念の為に書いておきたいが、でも、ドキュメンタリードラマを見てる訳ではないのだから、ほんとに楽しめた。 それに漫画には、音楽がついていないから、とても新鮮だった〜。 これで子供達が、またピアノを一生懸命弾いてくれたら嬉しいではないか。 受験や宿題片付けで、まだビデオに取っていながら見てない子供も多いが、是非楽しいからお勧めである。 学生音コンのBS放送は、レッスンで見られず休憩時間にFMで聞いたが、分からなくなって一瞬止まったとこは、ボリュームが消えたようにラジオでは聞こえた。 しかしリストのうぐいすが、流れなかったのが残念だった。 嬉しかったのは、14日の日に東京の生徒さんが、藤枝でクリスマスホームコンサートをしたと話したら、東京でも是非やって欲しいとリクエストしてくれ、練馬の小さいホールを借りてくれ、新年会も兼ねてコンサートをしていただいた。 相変わらず彼氏は、アクシデント続出で、まだまだ修行の身なのだが、人前で弾く事は一番の勉強だからとてもありがたかった。 悲しいかな?いつも失敗ばかりのドジぶりが逆に親近感なのか?藤枝でも東京でも仲間達や父兄の皆さんに愛され、幸せな子だ。 コンサートの後は、みんなでお茶タイム〜持ち寄った飲み物とお菓子で 短い懇親会が出来た。 びっくりしたのは、みんなで私の誕生日祝いに歌を歌ってくれプレゼントまで頂いた事だった。 突然のサプライズに感無量の先生だった。(泣) 前日は東京大会の受賞コンサートだったが、私は行けなかったが、立派なトロフィーや盾を持ち切れないくらい貰って来た。 全部で6つだった。飾る場所がないらしくて、私が預かっているが、凄い量だ〜あらためての快挙に彼氏を応援してくれた神様に感謝せずにはいられないし、これからがプレッシャーだ(汗)。 |
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| 明けましておめでとうございます。 ホムペ更新も久し振りで、年末年始はさぞやのんびりされたのでは?と聞かれると苦笑…。 PC開く暇もなかった〜。 何しろ26日まで仕事をしていたし、例の全日本学生コンクールの後、体調崩して、この一か月に町の病院に2回行き、大学病院に検査で2回行き、何とかクリスマスパーティーコンサートをして、クリスマスの片付けをして、お正月のおもてなしの準備をしようと思ったら、年末間際の30日にまた風邪をひき、吐き気で一歩も動けず寝込んでしまった。 仕事以外は、家族に何一つ出来ない自分を情けなく思い、悲観してひたすら寝てる始末、年に1〜2回しかひかない風邪を、よりによって一か月に3回ひくなんて、よほどAI君で運を使い果たしてしまったんだと思わずにはいられない。 “これが天の法則なんだ〜あんまりだ〜”と悲観したが、スピリチアルに凝る友人に「先生、人間は悪い相念を抱くと、実際そうなるから駄目だよ〜常に大丈夫、大丈夫と思い続けると必ず良くなるからね。」と言ってくれていたのを思い出し、布団の中で、“きっと治る。大丈夫、新年会は必ずやれる。”と念じて一日飲まず食わずでひたすら水晶を撫でて寝ていた。 そうしたらどうだろう!あれほど苦しかった咳も吐き気も夕方には止まり、動けるようになったのだ〜。 元日の新年会にまだ一日あるから、ドタキャンしないでも済むかも〜希望が…。 そして、無事に…といおうか?栄養剤をしこたまのみ何とか微熱をおして、赤ちゃん2名除き、子供含めて総勢10人の新年会を無事に懐石料理でもてなすことが出来た…。 そして海外赴任中の夫も加わり、家族で初披露のトーンチャイムで、即席キラキラ星を演奏もした(汗)…。 みんなに喜んでいただき、その上、高齢のひいおばあちゃんもお元気でほんとに良かった…。 さて翌日は、実家に顔を出さねば、一年に一度くらい両親に会っておかねば〜とバタバタと慌てて、新年会の後片付けも半端なまま、渋滞にもまれ神奈川に〜。 主人の実家に挨拶し、自分の実家で新年会をして、一泊したら翌日は箱根神社に。 この間のコンクールの御礼参りを兼ねて、初詣〜。 箱根までは、すいすいと着いたのだが、神社に近付くにつれ、渋滞の凄い事〜。 日本中の人が来てるのか?と思うほど凄い混みように唖然。 神社の境内も、参拝客が6列で蛇行状態だから、ゆっくり拝むも出来ず、やっと辿り着いたら、「どうも……」しか言葉が出ない。(泣) 結局、神様を前にしたら、“家内安全…今年もよろしくです。”としか言えず、我ながらあきれる。 まあ神様お見通しでしょうから、といいように解釈して……、おみくじひいて破魔矢やらを買い、藤枝に戻る…。 それからは、主人がまた海外に出発するまであと二日、家庭サービスに徹することにし、家族を呼んで、お家御飯作りやら買い物、日曜の朝まで主婦業に専念した。 普段は、ピアノを教えて東京〜静岡往復の日々だから、これが私にとったら唯一の気分転換になった。 まあ体力の続く限り、この恒例の年末年始を両立させたい(汗)。 今年、無事にスタート出来た事を神様に感謝したい。 今年ひいたおみくじは、昨年同様で、「よそ見せず枝道にそれず、お役目大事と努力しろ。」ですと〜。 ピアノしかない私に、枝道など出現するのだろうか? 小さな期待しながら、また日々子供達と努力である。 お正月の食卓は、テーブルセンター代わりに、袋帯をひいてお正月らしさを演出してみました。 |
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