December/'05

’05/12月

2005年12月24日

11月中盤から、ちっとも良くならない腱鞘炎に業を煮やしていたら、生徒の親に「先生!軟骨でも折れているといけないから、病院に行ったら。」と脅かされ、急に不安になり、病院に行ってきた。
レントゲンを撮ったら、医師があっさりと「腱炎ですね。はい、これは包帯が一番。」とぐるぐる手首を巻かれてしまった。
「後、手首の軟骨もいくらかすり減っています。使い過ぎのところへ重たいものを持ったせいでしょう。」と言われてしまった。
使い過ぎで摩耗か?(情けない事である。)まあ骨折はしてなかったにせよ、それにぐるぐる包帯巻は、いかにも重病人
しかし、これが、意外に効果が良い。包帯のお陰で、手首がぐらつかず、固定されるので、痛くない。安静と安定という訳である。
腱炎は、手首の捻挫みたいなものらしい。
少し良くなったので、油断して大掃除を今から少しずつ始めておこうと、段ボールなどまとめて掴んだりして、またひどくしたのである。
ふだんの生活にさほど支障は無いが、ピアノを弾けなくては話にならないから、何とか早く直さなくては………。
さて今週は、私は金・土で鳴門に行っていた。
ピティナの審査ですか?と思われるだろうが、そうではないのだ。
私のお料理仲間のセレブの友人達4人が、神戸ルミナリエと鳴門エクシブに一泊旅行を計画し、それに図らずも誘われたという訳である。
最初は、12月は5週もある事だし、一泊位ならいいだろうと、「うん・うん」と同調していたのだが、日にちが近づくにつれ、それどころではない事に気付く。
コンクールの受賞コンサートとカワイが24・25日、グレコンが27日、受験生はまだ目処さえ立っていない。
こんな時に、旅行をする気分も余裕も無いではないか?
しかし、友人たちは忙しい私が、珍しく首を縦に振ったという事で、「三好さんと旅行、楽しみだわ!」としきりにメールをくれる。
その上に、今すっかり嵌っている韓国ドラマ"チャングム"の主役の吹き替え役の女優さんも一緒だというのだから、「チャングムの裏話が聞けるよ!」と言われ、超セレブな旅行行く事になった。
結局、間際になって時間の調整が難しくなり、キャンセルをしなくてはと思いつつ、友人から「何着ていく?寒いよ!」メールを貰うたびに、「やっぱり行けない。それどころじゃない。」と言いそびれ、気付いたらキャンセル不可の5日前。
その上、女優さんがホテルのチャングム展出演の為、急遽キャンセルになり、人数が減ってしまって、ここで私までキャンセルしたら、責任重な状況になってしまったではないか?
こうなったら、腹をくくって楽しむ事に徹しようと心を決める。
生徒には、金曜・土曜を休み、振り替えで許してもらい、意を決して、出発する事にした!
(次回につづく)


2005年12月10日

12月に入って、急に寒い日が続き、ようやく年末に向かっているんだなぁーと実感して、
無理してクリスマス・ツリーを出してよかったと思う。
となると、今年も例年の如く、受験まで余り日もないので焦るのだが、今週は週末に親戚の法事もあったりで、目が回るほど忙しかったが、ここでようやくショパコンの予選も終わった事だし、一応一安心という所である。
この間、うちの大学生が、競馬のジャパンカップに行ったと楽しそうに話してくれた。
これが音大生だったら、「ピアノも弾かず何やってんの?」と叱り飛ばすところだが、名門私立大学に通う超真面目な子だったので、「フーン」と話を聞いていたが、サークル仲間と行ったそうな。
今の子供たちは、競馬=賭博という暗いイメージを持つ我々と違い、楽しんで観劇や音楽会の乗りで競馬に行き、馬券を買うらしいから、時代は変わったのだなぁと思った。
小学生がお年玉でを買う時代らしいから、驚いてはいられない。
その中で面白かったのは、学生が言うには「先生!人間も馬も一緒ですねぇ。やっぱり勝負は最後の詰めですね。自分が、コンクールでいつも成績がイマイチだったのが、つくづく、よく分かりましたよ!」と言うのだ。
大体、最初1・2・3位を占めていた馬は、後半ラストで、まるまる入れ替わってしまうんだそうだ。
さすが、うちの優等生・学生、馬券は1,000円買って100円しか当たらなかったけど、馬から人生処世術を学んで帰ってくるなんざ、見上げたものである。
私自身もそうかぁー、発表会もコンクールもリハーサルも上手く弾いていたりしていた子に限って、本番を上手く弾く子は稀である。
中には、不幸にもリハーサルも本番も失敗という子もいるが、やはり最後まで緊張して断していない事が大切なのだと思う。
馬は、騎手もいるし、ペース配分には微妙な駆け引きがあるのだろうが、最初から飛ばしていては後が持たない。
ラスト・スパートでどこまで伸びるか?は、馬の実力プラス騎手のムチひとつで才能なのだろうが、子供によって、スパートの効く子供もいれば、そうでない子もいるから、人間は馬と違う。
指導者は、子供の能力を見極めてあげないといけないのだろう。
これからピアノだけでなく、普通高校受験の生徒達もいるが、模擬試験などで失敗していると心を引き締めて、日夜、その日まで、弱点強化で油断しないから、かえって良いかもしれない。
人間は弱いから、少しでも良い結果が得られると、一瞬ホッとして油断を生む。
それが命取りにならない様、騎手ならぬ指導者は、心を引き締めて、今年もこの冬を乗り切らねばと思う。
名騎手を目指すといえば、忙しい私の為に、いつも東京の生徒のお母さんが、私が興味を持ちそうな番組を、ビデオに撮っておいてくださるのだが、それをレッスンの後、見るのが楽しみなのだが、先日見たのは、小澤征爾と元野球監督星野仙一との対談だった。
阪神を率いた星野元監督と、今や世界的な名指揮者、小澤征爾氏との対談はとても興味深かった。
監督が、指揮棒を自己流で、振る当たりは、なかなか様になっていて、笑えたし、小沢が、学生に指揮の仕方を指導するやり方は、とても分かりやすかった。
師匠、斉藤秀雄の昔ながらのスパルタ方式で鍛えられたにも拘らず、世界の小沢は、気難しくなく、人間的で、とても優しく、包容力豊かに見えた。
そのオーラとカリスマ性は、何より体中からみなぎる集中力から、表出されるもののように思えた。
星野仙一が、「野球は一人でやるものではなく、チームなのだから。」とよく、常日頃尊敬する監督に言われたが、オケを率いる指揮者も同じではないか?と意見を求めていたのに対し、小沢が、最後に自身の座右の銘が、「個」という言葉で色紙に書き、締めくくった。
オケというのは、いろいろな楽器があるが、一人ひとりの個性を潰さず、伸ばして、各々がどう表現したいかを引き出してあげる事が、大切なのだそうだ。
そして、それが事実一番上手かったのは、カラヤンだったというのだから、驚きである。
カラヤンというと、あの気難しく、ドイツ人気質の堅いイメージで、さぞかし自分の音楽を持ち、それをオケに強いたというイメージがあったから、そうではないという事に更に、驚いてしまった。
野球もーケストラも、「和」かと思ったら、「個」という事だから、衝撃を受けた。
自分の考えを、押しつけるのではなく、柔軟な感覚、感受性を持ち、その良さや、個性、能力を引き出して、のびのび演奏させた上で、全体のバランスを保ち、全体の統一を図ってやる指揮者が、世界的指揮者なのだという事なのだろう。
人間、上に立つ者、オケや野球監督だけでなく、会社経営も、人を引っ張っていくという事は、こういう事なのだろうと思った。
個性重視、自分を押しつけず、潰すことなく、各々の能力を伸ばして使う事。
簡単な事のようで難しいが、人の上に立つ者、指導者として、心に留めなくてはと、改めて小沢の音楽と共に感動した。


2005年12月04日

あっという間に師走となってしまった。
この間、クリスマスツリーを出して、しまったと思ったのにあっという間だ。
この頃、月日の経つのがあまりに早く、驚くばかりだ。
私だけかと思うと、回りも口々にそう言っているので、皆忙しく日々を過ごしているのだろうか?
"月日の経つのが早い"などと子供の頃はさほど思わなかったし、冬休みや夏休み、とりわけクリスマスやお正月が待ち遠しかった気がするから、それだけ暇だったのかもしれない。
とにかく、この間しまったばかりのクリスマスツリーを出すのも少し気が重い。
とにかく、11月忙しかったし、これからも年末までずっと忙しい日々が続く。
そんなに忙しい身なのに、左手が何と腱鞘炎になってしまった!
というと、皆にさぞかし職業病だろうと同情されるが、残念ながらそうではないのだ。
なにしろ、昔から指だけは達者で(口と一緒で)、よく回るので筋を痛める事はこの年まで一度も無かったのだから………。
という訳で、生まれて初めての腱鞘炎である。では何故腱鞘炎になったのか?この謎解きに我ながら、時間が掛かったのだが、実は、犯人はワインだったのだ。
何と、ワインの運び屋をやっていて、手首を痛めたという情けない話である。
東京に隠し持っていたビンテージもののドンペリを、家族の記念日に皆で豪勢に飲もうと持ち出したのは良いが、途中でスペイン産の赤ワインに目移りし、それまで買い足し合せて、2本をウンウンうなって運んだら、左手首を痛めたという訳で、なんともお恥ずかしい話である。
それでなくとも、いつも東京往復は荷物が多い身なのに、手首の関節が抜けそうにワインで重かったのが良くなかった。
生徒はコンクール真っ只中だというのに、左手が使えないから、重要なハーモニーを弾いて聴かせられなくて、大変不便なものだ。
それにこの腱鞘炎とやらなかなか治らない。
もう2週間目なのに、まだキーを打つと激痛が走るから、鍋も持てない。
お陰で、ちょっと元気も出ないから、ホームページまで遅れた(汗)
肝心のクリスマスツリーも出せない。
今年はいっそ、ツリーは、やめちゃえばと悪魔の囁きが聞こえたが、やはり決まりは決まり。駄目である。こんな時は、A型がしっかり顔を覗かせる。
面倒と思うと、何もかも面倒なのが人生である。
そうなったら、おばさん道まっしぐら、お終い。The ENDである。
何事も、1日1日大切に生きる事をモットーにしている私としては、ここは一番、何としてでも、2メートルのツリーを出さねばならないと、物置から片手をフルに使い、ズルズルと引っ張り出す。
そして、何とか不自由な左手をかばいながら、ツリーを立て終わると、感慨無量ではないか?
2メートルのツリーを満足げに見上げて、今年1年振り返ると、鮮やかに思い出されたのは、沖縄旅行と夏の1泊プールデー後はコンクール三昧の日々
この3つしか思い出せないのだった!トホホである。
この1年、これしか印象に無いとは何と寂しい人生!
来年は、もっともっと思い出をたくさん作らねばと思うのだが、どうであろう?
やっぱり、日々に忙殺され終わりかな?その為にも、とにかく健康で過ごさねばならない。
手首を痛めたのも、加齢(華麗)なる変身のせいだろう。
こうなったら健康に気を付けて、年末の忙しいのを風邪ひとつ引かず乗り切り、コンクール、そして受験生を無事に送り出さなくては...と心を引き締めるのでありました。





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