| 今週末は、父の日、そしてピティナ予選が、先週に続き連続してあった。 前回、静岡でエース級の生徒が何人か、次点で失敗していたので、ラストチャンスで気が抜けず、レッスンも夜中までになる日が殆どで、週末にはもう目の下にクマだらけだった。 本選で自信のある子供が、予選に落ちると子供も親も不安になる。 先生を信じていない訳ではないが、受かった子供の演奏が、基準に見えて、無意識にそれに合わせようとパニックになる。 しかし、同じ先生が同じに教えても、それぞれ演奏が違う様に、子供には一人一人個性というものがあり、その子の呼吸同様、テンポも感性も各々違う。 我々プロは、長年の経験で、その子に一番合った曲想を選んでいるつもりなのだが、やはり親子でパニくると、自分の演奏が出来なくなるのが普通だ。 こんな時は、まず何が敗因かを分析して、それをできる範囲で直すこと。決して舞上がらず、落ち着くことだ。 この1週間は20年の経験をフル動員して、子供達の焦る気持ちを抑え込んだ。メンタル面の調整は本当に神経と精神力がいる。 不安な生徒を安心させるには、ある程度のはったりも必要だ。 そんな時は、やはり音楽を何の為にやっているのか?コンペの為なのか?合格の為か?人と競争する為か?を考えさせなくてはいけない。 大事な事を見失えば、生気のない感動のない音楽になる。 音楽はテンポでもなければ、曲想やノウハウでもない。生きているものだからだ。 心の無いものは、決して人の心を動かさない。 審査員は決してして騙せない。慌てて弾けばミスを呼ぶ。 落ち着いて自分の音を聞く事、自分を信じ今まで積み上げてきた事を信じ、大切な事を見失わない事。 実力があれば必ず受かるのだと言い聞かせた一週間だった。 東京でレッスンしていて、彼女たちが自分の演奏が出来たと聞いた時はホッとした!勿論、結果もついてきた。 万に一つ、どんな結果でも、プロセスを大切にしてきた練習は、子供のその後にたくさんの収穫をくれる。それを信じてきたからこそ、毎年過酷なコンクールでも、20年間頑張ってこられた。 まだ、これでピティナは2週目。まだまだ序の口である。 だんだん子供たちにパワーを吸取られ、先生は6月中旬というのに既に、息も絶え絶え状態である。 予選でこんなに神経を使い切るのは、全く普通ではない。20年もやってきたのに最近の予選は異常である。この事については、後で触れたい。 来週末は、三重コンクールの審査。翌週はピティナ町田予選の審査がある。 どうやってスケジュールを調整したら良いのか?考えると頭が混乱するので、あまり考えずにいる事にしている。 なるようになるさ!もうケセラセラ状態だ!
父の日は息子夫婦が来て、父の日のプレゼントをくれたそうである。 家族でお風呂屋さんに行き、焼き肉を食べ、買い物をして、最後には蛍を見に近くの山へ行ったそうである。 それを東京で一人寂しく、メールで読んだら、寂しくて涙が出そうだった。 私も一緒にお風呂屋に行き、焼き肉を食べ、蛍を見たかった!! しかし、これは幸せな悩みである。本当は、留守番ばかりの主人に優しくしてくれていて、有難いと思っている。 息子は、結婚してから本当に親孝行になった。 まだまだ20代そこそこのくせに、この気配りは、ひとえにお嫁さんのお 陰である。 うちは、自慢じゃないが、本当に心優しいお嫁さんに恵まれたラッキーな家族で、神様に本当に感謝している。 いつもいつも、キクばりを有難う! 当の私は、自分の父親に、忙しくて電話一つしなかった。 反省!反省! |
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| 先週の続き 大事件とは一体何だろう? ご心配かけた読者の方には申し訳けないのだが、実はガス漏れ事件なのだ! 最近家に帰ると、何故かガス臭い!気のせい?とは思いながらも、一応台所、風呂場を覗くとその気配無し。 やはり気のせいだと片付けていたものの、主人も「この家なんかガス臭くない?」と言うのである。 一緒に家の中を見回しても、その気配は無いし、東海ガスのガス検知器、セコムのガス検知器でさえも反応しないのだから異常無い筈! こうなったら「地中で何か腐って、メタンガスでも発生してるんだね。」とやはり二人して呑気に片付けていたのだが、体調を崩していて、ここ2・3週間来られなかった息子夫婦が、久しぶりに来て、「何かガス臭いんですけど、この家!」と、しかし「父・母が調べたから、なんでも無いんだよ!」と言うと、我々同様あまり深く考えない息子は、納得!。しかしお嫁さんは、主人の誕生日の最中、「ガス臭くて頭が痛い!」と言い出した。 これは"ただごとではない!"と、もう既に夜10時を回っていたのだが、東海ガスに電話をする!(うちのお嫁さんは、普段はのんびりして、あまり物事にこだわらない性格(ごめん!)なのだが、我が家の緊急事態には俄然本領発揮、彼女が反応した事は、いつも当たりで、何度となく助けられているので、無視できない。) 20分も経たないうちに、ガス会社が飛んできて、家中捜索したものの、検知器は鳴らない、しかし、意外や意外、中庭の隅に来たら、検知器が大きくガス漏れを発見して、鳴りだしたではないか? それから緊急事態で、ガス会社の車2台が駆けつけ、穴を一晩中掘り出し始めた! ついでに周囲にパトカーまで来ているではないか? 結局、ガス管が地中でガス漏れしていたという訳だったのだが、主人たら、明日朝シャワーを浴びたいので、工事をあす午後にしていただけませんか?と呑気に聞いたら、「とんでもない!」と一笑に付されたそうだ。 翌日の午後には、ミニショベルカーまで来て修理をして、私が東京から帰ってきたら何事もなく、すべて終わっていたのだったのだ....。 と言う訳で、今回はお嫁さんの鼻のお陰で、我々一家は命拾いしたということなのです。 ちなみに、うちのお嫁さんの名前は"きくみ"といいます。"鼻が良くきくみ!"と言う訳で、この事件は一件落着でした。 それに付けても、実際笑い話ではなく、"藤枝で一家3名、夜中に寝ている間に、地中のガス漏れで死亡。"という事件があったということだから、災難はいつ我が身に降り掛かるやもしれません。常に耳も目も鼻も利かせて、暮らしたいと思いました。
さて本業のピアノですが、ピティナの静岡が6月11日に始まり、各地で生徒が早くも挑戦。 私も心落ち着く間のないピティナが始まった。 これから8月初めまで、審査含めあちこち飛び回りながら、生徒と一喜一憂を共にする日々だ。 それにつけても、年々予選のレベルアップに伴い、子供達には過酷な予選である。 長年審査をしているから、審査の観点は分かっているので、それを子供たちに伝授をして、リハも重ねているものの、やはり本番の緊張から、思わぬ地雷を踏んで、自爆してしまう子がいる。 普段の実力は十分なのに、ほんとに緊張から自分の演奏が出来ず、その実力が評価されないと、本人や親御さんの熱意を思うと当惑である。 コンペで一喜一憂するのは常だし、この「憂」のお陰で、親子共々先生を含め、成長すると思うと、その時は辛いが「憂」を成長のカギとして、何より親がしっかり捕らえられる事だと思う。 子供の自信を潰したり、失敗を叱ったり決してせず、前向きに捕らえて欲しいと思う。 子供の教育は、やる気を伸ばす事だからだ。 これから始まる夏のコンクールに向け、是非頑張って欲しい課題だ! |
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| 今週末6月3日金曜日は、ピティナ予選課題曲演奏会で静岡でした。 年々レベルの高くなる予選の為に、リハーサルを兼ねて練習会を何度となく開くのだが、どうしてもリハーサルだと甘えが出るせいか、緊張感が本番のそれとは違ってしまう。 アガル練習というのはできないものか?と常日頃から思ってはいるが、やはり普段の練習でいつもテンションを上げていくことが大切なのだが、練習嫌いで意識の薄い子供にそれを強いるのは難しい。 親がかなり厳しい家でも、それはそれ、親のうるさいのに慣れているから、馬耳東風で聞き流してしまうせいか?なかなか本番のテンションで普段の練習が出来ない。 芸術というのは瞬間芸みたいなものだから、その場でいつもの力が出せなければ何にもならない、過酷なものだ。 そうなると精神力の強さが最後はモノを言うのだが、精神力の弱い子にはとにかく“ひたすら慣れさせる事、自信を付けさせる事、とことん練習する事によって、開き直る事”を覚えさせるしかないと思っている。 そういう意味でも6月11日、静岡予選に向け、この演奏会は結構子供達にはよい刺激になったようだ。 同じ先生が、ほとんど同じ時間をかけて教えているのに、皆各々違った演奏をするから面白かった。 普段リハーサルでは見せない、紅潮して緊張した面持ちで、ピアノに向かう生徒を見て、面倒な事だったがやって良かったと思った。 親や先生が声を涸らして、普段の練習にテンション高く望めといくら言った所、当の本人がその気にならなければ何にもならないからだ。 ピアノの指導以上に子供の意識改革をするのは、根気がいる事だと思う。 週末の度に忙しいので、この所すっかり疲れが溜まっていて、午前中はほとんど寝てばかりいる。 すっかり体力が落ちてしまった。 それでも寝ていれば、何とか8月まで持つかな?とひたすら眠っている。 なんだか情けないのだが。 この間、友人の家のバラが満開でお茶に呼ばれた。 バラを浮かべた花器と、友人が自ら焼き上げたお菓子でお茶を飲むのが、幸せなひと時だった。 専業主婦だとはいえ、それなりの悩みも多いと思うが、こうして時間に追われ、いつも忙しくしていると、時々愛犬を抱き、花を愛で、お菓子を焼いている友人が羨ましくて堪らない。 (うちにも昔愛犬が居たのだが、主人が単身赴任、思春期の息子に疎外され、私が忙しく、いつも留守がちだった為、ストレスで寂しくて、犬はめったにならないという胃がんで死なせてしまった。) ピアノを教える事は天職だと思い、迷わずやっているのだが、ふと回りを見ると世界が違って見えるのは何故だろう? 何年も前からそう思うようになっているが、やめられないのはピアノを教える事が好きなのだとつくづく思う。 6月5日は主人の○歳の誕生日だった。 日曜日だというのに、例によって私は東京レッスンで留守だったが、息子夫婦がケーキを買い、主人を連れて夏の背広を買いにデパートへ行き、夕食をご馳走してくれたらしく、大そう満足していた。 若い頃から、子供は欲しくないと言い張り、面倒はよく見るものの、子供が基本的に好きではない主人だが、たぶん息子を持って良かったと思ったに違いない。 という訳で、うんと恩着せしたいと思う。 その頃、私は独り寂しく東京で、買ってきたお弁当を広げていたが、体がしんどくて、もうダメだと愚痴っていたら、夜レッスンに来た大学生が、「先生が頑張らないと皆が困るよ!」と自分もバイトと学校でくたくたなのに、肩をひとしきり揉んでくれ、終バスに飛び乗って帰って行った。 娘はいないが、こうして大学生になっても訪ねてきて、肩を揉んでくれる娘同様の生徒がいるなんて、私は何と幸せだろうと後で涙がこぼれた! 私が生徒に肩を揉んでもらい、主人がバースデーケーキを囲んでいる頃、実はとんでもない騒動が起きていた。 続きは来週。 |
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| 今週末、5月29日土曜日は、先週に続き名古屋に飛んでいた。 ここの所、名古屋方面に縁がある。(そう云えば、6月末も審査で名古屋に行かなければ) というのも知人の結婚式に出席したのだ。 こんなに忙しい時に、冠婚葬祭も怠らず、我ながらあっぱれと思うのだが、体力的にも限界が近付いていたので、必死で元気茶と栄養剤で体を持たせながら、当日までレッスンを頑張った。 実はこの結婚式に招待されたのは、本当に不思議な縁なのである。 この世に神様はいらっしゃるかしら?と思うようなそんなきっかけだった。 昨年の受験生だったM君のお母さんから、弁護士先生でとても人間的に素晴らしい方がいらっしゃるけど、良いお相手いらっしゃらないかしら?と1枚の身上書を手渡された。 とても素敵な方で、ちょいと一目惚れした私はおせっかい心が(忙しい癖に)芽を出した!! 「分かりました検討してみまーす!!」と譜面台にちょこっと置いておいた。 レッスンの時折、身上書の彼のやさしい眼差しを見ながら、いつまでもそこに置いておいたと言う訳なのだが(忙しいのでおせっかいしたものの、動く暇がなかった)ある日気付くと無いではないか?あれ、私の癒しのポートレートが。 そこへ生徒からTEL。「先生何か余計なものが楽譜に混じっていますよ。」 「あっそれ!!生徒のお母様に頼まれたのだけど、いい方いらっしゃらない?」とお話ししたら、その生徒のお母様がまた私と似た、いやそれ以上のお世話好き。「ええ!!素敵なお嬢様知っているわ」というのがきっかけ。後は皆さんご想像の行く通り、トントン拍子というわけである。 そうなのです。こんな殺人スケジュール、年中無休の私がキューピット役の一端を担ったという訳なんです。 そして生徒のお母さんと共に、名古屋のお式に招待されたという訳です。 それでも両方の御本人方と直接面識もない私です。キューピットの矢は放ったものの、飛脚便は別。 御本人方ものんびりした方々で、「回りが何故あんなすてきな人が、いつまでもひとりで?」と動き回られたに違いないという状況だったようだ。 それでも中国の故事ではないが、"縁あるものは、万里を越えてやってくる"というではないか? ふむ、ふむ、こういうことか?と納得である。 コンペ前で土日のレッスンが、2週続けてつぶれるので、皆に迷惑を掛けてはならないとスケジュール調整に大変で、頭を痛めたが、教会式のチャペルの中を、それは美しげで品の良いお嬢様が、しずしずとお父様に手をとられ入ってくる姿には、また息子の時が思い出されて、胸が熱くなった。 お二人共、教養高く品格があって。落ち着いた大人の高雅な結婚式でした。 お料理も、とてもおいしくて感動してしまった。このところ忙しくて、ろくなものを食べていなかったので、胃袋が感動していました。 聞けば、名古屋観光ホテルは名古屋の老舗。東京なら帝国ホテルのようなものなのだそうだ。 と「納得!」という訳である。 当の私は、生徒と定番の冬ソナ連弾(今回で3回目)、しかしお客様はインテリが多く、以前の様に受けなかった?悲しい。そろそろ、レパートリーを変えないと? しかしその後、お嫁様の伯母様の歌の伴奏をしたので、少し挽回?? 伯母様は、もうお若くはないのに、すばらしい声量で"アメージング・グレース"と"オペラ・ジャンニスキッキ"の"私のお父さん"を熱唱されたのだ。 しかし極めつけは、何といってもM君の伯父様(M君のお母様のお兄様だ)、"愛の讃歌"を歌われたのだが素晴らしかった。ここにM君のDNAルーツ発見という訳だった。 眺めの良い、こぢんまりとした、しかし品格のあるホテルの1室で、本当に列席者の方々の祝福の気持ちが一つとなって、感動もあり、とても良い結婚式だった。 レッスンがあるので、新幹線の時間が迫り、最後まで残れず残念な上、忙しい半日で戦争の様だったけれど、来てよかったと心から思った。 人生の一番幸せな瞬間を共有出来た喜びに大満足で、またこれから頑張るエネルギーを頂けた。 本当にMI先生、奥様のKIさん、おめでとうございました。 |
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