ニースを堪能して、翌朝はタクシーもバスも使わず、自分の足で駅まで歩いた。 ガラガラ押しながらニース駅に行くと、お貰いさんが駅にウロウロいた。 やはり観光地だ。しかし昼間なので怖くない。 無事にTGVに乗りアヴィニィヨンに向かった。さあ、待望のプロバンスである。 プロバンスはいきたい場所満載だが、それぞれ点々としているから、本拠地を決め、そこから各地に行くのがよいのだが、それにはアヴィニョンが最適なのだ。 ここに三泊して憧れのプロバンスにアンテナ張るのだ! TGVでは、ニースからマルセイユに向かうフランス人の彫刻家と友達になったり、1人旅にも慣れて元気いっぱい次なる地に向かった。 しかしアヴィニョン駅で、さっそく、表玄関と裏玄関で迷い、やっとタクシーに乗ったから相変わらず方向だけは音痴であるが、とりあえず無事にアヴィニョンのホテルに着いた。 アヴィニョンはその昔法王庁が置かれた地で、街全体が、城壁に囲まれ、かのアヴィニョンの橋もその城壁から伸びているのだ。 ホテルに荷物を置き、街を散策、城壁の前から、まるで表参道のように街路樹が真っ直ぐ道の両端に伸びている。 その先に法王庁や、音楽祭が行われる劇場がある。ニースと違い安心感のある街である。 観光トラムに乗り街を廻った。 今思い出すと不思議なのだが、ニースまでは1人旅だったのに、アヴィニョンからは誰か仲間が居たような気さえする。 その訳は、後でわかったが、その夜は、またまた地球の歩き方、お勧めのレストランに1番乗り。 食前酒にパスティスを注文。メロンに生ハム、ブッフブルギニョン、デザートにソルベ、注文したらパッフェ!!パーフェクトと褒められた。 だんだんフランス慣れしてきていた。もうレストラン1人で行くの、なんのその状態である。 ホテルが目の前だし、酔っても安全なのが、更にうれしい。 なんたって城壁の中の街なのだから。 さて翌日は、日本人対象にショート・トリップ? 南仏ゴルド、セナンク、シャトーのワイナリーで試飲。そして南仏の田舎家で食事というツアーに申し込みをしてみた。 それもあまりに自分の方向音痴に飽きれたので、駄目元で前日に電話したのだが、何と一席余っていたのだ。 今考えると無謀な計画? しかし悪運強く、この旅行、実に良かったのである。
夕飯を堪能し、早めに寝たせいか?朝早く目が覚めた。 朝ご飯は外でニースの名物パンデパニャに決めていた。これを食べずしてニースを離れたくない。 どうも私は観光より食い気が目的なんだと、つくづく納得である。 さてパンデバニャ、とは所謂ニース風サラダをバゲットに挟んだ物。 ニース風とは、サラダ菜、トマト、黒オリーブ、ツナ、ゆで卵などを、オリーブ油とレモン塩で、和えたサラダで、サラダニソワーズと言うあれである。 ニースで、パンデバニャの美味しいパン屋を目指し、朝のお散歩。 ニースもパリと一緒で、8時でもやっと夜が白々と明けたとこ、その静かな人通りの無い港街をパンデバニャ求めて、カフェに座る。 「マダム何にします?」と聞かれ、「パンデバニャ、シルブプレ!」と言ったらビックリ仰天される。 「ちょっと待って」と言われ、奥に引っ込みしばらくして、「五分くらい待ってくれるか?」と聞かれた、「勿論!」と答えたら、しばらくして来たのが、この写真である。 その巨大さに、びっくり、朝は、クロワッサンにカフェの習慣のフランス人、朝からパンデバニャを食べる日本人に飽きられたにちがいない。 頼んでおきながら、とても無理、と写真におさめ、一口二口たべて、お持ち帰る積もりが、気付いたら完食していた。 美味しい物のためなら、何処までも、我ながら筋金入りの食いしん坊、芸術家? とくに音楽家はまずい物を食べてはいけない。 誰か有名人が言っていたが、こういう時は味方を得た感じである。 30センチのバゲットを平らげ満腹で、もう一度ニースの海岸線を目に焼きつけホテルに戻ったのだった。
ニースはコートダジュールの中心地? 日本なら江ノ島?比較したら申し訳ないほど、美しい海岸線である。 真夏を過ぎると日差しがないと肌寒いくらいである。 なのに、みな殆ど真夏の格好で、海に繰り出している。 町はトラムが行き交い雑踏は、さしずめパリ南仏編である。 そんな中をニースに、夏講習に行った学生が、重たい思いをして買ってきてくれたオリーブ油を今度は私がお土産に買いに行く。 とてもこの先まだ移動の身だから重いのは無理だから、軽めのスプレーをチョイス。 フランスのオリーブは、品質が良く、しかも少ないらしく、希少価値だそうで、日本で買ったら高価と聞いた。 サラダに、このサラサラしたオリーブ油をかけ、海の塩と、レモンをたっぷりかけ戴くと、絶品というより、もう凝ったドレッシングはいらない。 レモン塩オリーブ、これにすっかりはまっている。 昔からオリーブは好きだし、庭に何も知らず南国特有の花のなる木を植え、オリーブを植えミモザを植えていた。 やっぱり前世の記憶って、あるのだろうか?いや小さい時から外国の写真集とか見ていたからか?いつもヨーロッパの人々や暮らしに馴染む気がしてならない。 日本の侘び寂びも嫌いではないが、東南アジア系では無いのは確かなのに、夫は、タイに20年、もうすっかりタイ人化しているではないか? こうして思い出しながら書きながら、今度いつ行こうか?考えている、^^; さて、オリーブ油を買い、ニースの町を見て、心は夕飯。 今夜は、地球の歩き方、お勧めのビストロと決めていた。 6時からと書いてあるから行くと「まだ早い」と冷たくあしらわれる。 そんなのにめげる女一人旅ではない、「ならカフェ頂戴、待っているから、ならいいでしょ?文句ある?」と粘った。 早く食べてホテルにもどり、早めに寝るのだから一番乗り、30分以上待たされようやくメニューがきた! 私はサーモンタルタル、とスープドポワソンと決めていた。 ニースならブイヤベース?しかし、それよりスープドポワソンが、美味しい、と本にあった。 それに、ブイヤベースは一人では無理である。 しかし、それが大当たり、あまりに、感動して、ギャルソン捕まえて、「感動した!」と伝えた。 サーモンの新鮮さ、レモンは一個載せてある。スープに入れて食べるガーリックトーストと、マスタード入りのマヨネーズと、チーズまで、豪快! エズの高級フレンチより、庶民のビストロ最高で、涙出そうだった。 ニースに来て良かったぁ。 ビストロ堪能してスキップしながら、ホテルに戻った。 いよいよ運気上昇!?食い気?買い気?モチベーション最高潮である。