今日(1月25日)は、芸大の修士学位審査会、大学院の卒業演奏試験だった!
「先生!是非聞きに来て!」と言われていたが、やはり、私には、大事なちびっこ育てる仕事もある訳だし、この日に限ってまた、代稽古の若い先生が来てくれない。
いつもそういう時に限って何故か?ごそっと、時間が生徒のドタキャンで空くのに...。
今までは、偶然だったのか?と大事な仕事優先で、ピアニストの生徒の演奏は、これからも聴くチャンスは、あるから、と諦めていたら、珍しく朝早く目が覚めて、何となく携帯をあけたら、生徒が2人急病でドタキャン...、4時半まで時間が空いた!
飛び起きて支度したら、11時50分の演奏開始に間に合う。
またまたミューズの神様に愛され続けたうちのピアニスト!!流石の奇跡!の引き寄せ術!
嵐の様に支度して新幹線に飛び乗り、上野公園を横切って芸大へ。
いまから13年前真冬の今頃、芸高受験の為、歩いた上野公園。
あれから大学の入学式、卒演と行事の度に足を運んで来たが、いよいよ大学院の卒演である。
1時間のプログラムを演奏する!演奏は、咳払い一つない中、彼の今の最高の演奏を聴かせてくれた。
不器用で、時間ばかり掛かり、学生の頃は、どれだけ苦労したかわからないが...。
努力が実り何でも弾ける様にはなったが、内面を表現する芸術家としての高い壁を超えられるか?とずっと悩んで来たが、2年のロンドン留学を経て、逆にすっかり内面を表現する音楽家になっていた。
眩しいくらいのオーラに、小学生の小さかった彼を思い出し、目頭が、熱くなった。
昔も今も沢山の子供達と一喜一憂している我が人生だが、人を育て、その成長を助け見守るという事が、一つやれたのかもしれない、と自分自身も振り返り天職を授かったんだと、感謝した。
シューベルトとラフマニノフの楽興の時!其々の音楽家の孤独、哀しみ、苦悩、慟哭、怒りや、憤り、そして神に対する感謝、最後は、人生に対する夢と希望で締めくくられた音楽で、ホールを出た時は、とても背中を押され元気が出た。
10年間見守り育てて下さった大学の先生にもしっかり御礼を伝えられ、本当に来てよかった!と神様の偶然に感謝した。
普段は、沢山の悩み多きお母様方に子育ての秘訣を相談されるが、ピアノは、才能ある子を産む事ではなく、努力出来る子を育てられるか?その為には、親がどのように子供に自分自身の生き様や、価値観を見せていくか?によると思う。
うちの子、才能ないですか?ではなく、何処まで頑張れるのか?とこちらが聞きたい!
やはり、人生は、努力なんだとこの歳になってつくづく思う。
書き初めで、生徒が書いた一枚。
この子は、まだ何も知らないのだろうが、努力こそが、夢の第一歩で、既にその意味を掴みかけているのだと嬉しかった。
努力は、決して裏切らず必ず、報われるのだから!!
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